AI時代のDevOpsを考察する

AIDevOps

はじめに:私の DevOps 体験

私はこれまでの過去の経験で、DevOps に非常に興味を持って取り組んできました。特に、DevOps を進めるにあたって「何から始めるべきか」という問いに対して、私はCI を先に作り始めるということを重視してきました。

なぜ CI からなのか。それは、CI の構築を後から行うことが非常に大変だからです。複雑に組み上げられたシステムから後付けで CI を作っても、正しく全てがテストされていることを保証することは難しくなります。だからこそ、まずは CI を作り、TDD(テスト駆動開発)で開発を行うことが重要だと考えています。

組織としての DevOps:理想と現実

DevOps を CI から始めることは技術的な側面ですが、組織としての DevOps の考え方も私は大好きです。

もともとエンジニアは、自分の開発効率の改善などを自分で行うことが多かったと思います。しかし、それを組織全体で行うと組織が大きくスケールする可能性があります。昔から社内 LT 会などを実施することで、ナレッジを共有し開発効率をチームや組織単位で改善するような取り組みも増えてきました。

しかし、これらはボトムアップ的な動きであるため、組織としての仕組みとして DevOps を進めるにはまだ弱いと感じていました。

実際に、DevOps を組織として進める役回りになったことが少しだけありますが、なかなか直接的な生産性に寄与することが難しく、「これなら、各チームの CI を改善したほうがいいのでは?」と思ったこともありました。しかし、さすがにそれだけを行うことは難しく、非常に苦労した思い出があります。

ここに関しては、どうすればよかったのか今でも悩んでいます。

AI 時代の DevOps をこう考える

しかし、時代は変わりました。AI の進化により、CI の改善やテストの自動作成などが一瞬で終わるなど、かなり開発体験が効率化されてきていると感じます。

AI を使うことによって、これまで苦労していた部分が大幅に改善されてきています。DevOps によって直接的な生産性の改善として、CI の改善やテストケース作成の自動化などの効率化が期待できますが、DevOps における運用者の効率アップも期待できると感じています。

運用者における AI の活用

まず、DevOps において運用者がどういった作業をこれまでしてきたでしょうか。

運用者は、業務領域として以下のような作業を担ってきました:

これらの作業は、非常に専門的な知識が必要であり、また、手作業で行うことが多かったため、時間と労力がかかるものでした。しかし、AI の進化により、これらの作業も効率化される可能性があります。

考察:どのような AI の活用ができるか

これまで、人間の手によって開発生産性の改善などエンジニアリングに関するものは、人の手では限界がありました。そのため、その改善はチームに留まることが多く、組織全体としてスケールすることが難しかったと思います。

しかし、AI の進化によって、プラットフォームエンジニアリングといった文脈などでも言われているように、DevOps を大規模に組織的に行うことが可能になってきていると感じます。

そのスケールが行える部分が、エンジニアの中でも特に運用エンジニアの部分ではないかと考えています。

具体的な AI 活用シナリオ

運用エンジニアは、稼働しているプロセスの監視や障害対応を行うにあたって、開発しているサービスに障害が発生する前からその問題に気づけるようにしたり、ソースコードや品質の問題を事前に検知することが求められます。

そのためには、開発エンジニアが Ops の観点でコードを書いていくことが求められます。そういったときに、Cursor ルールで、Ops の観点のコード規約を追加するなどを行うことで、保守性の高いコードを書くことができるようになります。

また、CI 上に Ops の観点によってプロンプトが設定された AI Agent を組み込むことで、CI の中で保守性の高いコードを書くことが可能です。

それにより運用エンジニア自身も AI Agent を活用し、人間の目では見つけることができなかった問題を事前に検知し、障害が起きる前から未然に防ぐ可能性が高くなっていると思います。

これまで、CI や監視ツールの進化によって、ある程度は補っていたものではありつつも、人間の目によって保守されてきた部分が、AI の進化によって、より効率的に行えるようになり、それが組織全体へのスケールが可能になってきていると感じています。

まとめ

DevOps の考えをこれまでは人間が守ってきましたが、チームではなく組織全体で守ることはスケールに限界がありました。

しかし、CI 上や監視ツールに AI Agent を組み込むことで、人間では限界だった部分を AI が補完し、組織全体での DevOps の実践が可能になってきていると思います。

AI 時代の DevOps は、単なるツールの進化ではなく、組織のスケーラビリティを根本的に変える可能性を秘めています。これまで個人やチームレベルでしか実現できなかった改善が、AI の力によって組織全体に波及していく。これこそが、真の DevOps の姿なのかもしれません。


この記事は、実際の DevOps 経験と AI 技術の進歩を踏まえた考察です。皆さんの組織ではどのような AI 活用をされていますか?ぜひご意見をお聞かせください。

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